iPadなどのデジタルデバイスの普及は、企業と消費者のコミュニケーションの在り方に変化をもたらしている。
次々と登場する新しい端末やメディアを介して消費者に企業のメッセージを伝えるためには、「デジタルPR(デジタル領域に精通したプロモーション手法)」の概念が重要になる。前回はこのことをGoogleや味の素のプロモーション事例から紹介した。今回はトリプルメディアを生かしてデジタルPRを実現する考え方を紹介する。
●ストーリー構築で差別化するデジタルPR
インターネット環境やデジタルデバイスの進化に伴い、新たなメディアが続々と誕生している。特にブログや動画共有サイト、TwitterやSNSなどを含むソーシャルメディアの台頭には目を見張るものがある。
こうした中、ブロガーの懇親会やサンプリング商品の提供によってブログ記事を増やす「ブログマーケティング」や口コミによる認知度の拡大を狙った動画「バイラルムービー」によって、商品が一時的に注目を集める現象が起こった。だがマーケティング視点で見ると、このような一過性のブームは企業のマーケティングの根本的な課題を解決したとはいえない。
これを解決するのがデジタルPRである。モバイル端末やデジタルサイネージ(電子看板)などのデジタル領域を軸に
rmt dragon nest 、ブログマーケティングや口コミマーケティングなどを展開することで、無数に飛び交う情報を統合的にプランニングする手法である。
言い換えると、企業が一方的に情報を拡散させるのではなく、情報全体にストーリーを持たせ、消費者にメッセージの理解を促進させるというコンセプトである。デジタルPRの展開において企業が心掛けるべきことは、戦略的課題から導き出した施策全体に一貫するストーリーの構築である。単発の施策展開は望ましくない。
ここで言うストーリーとは、「事実(ファクト)形成→市場啓もう→ブランド認知→差別化訴求→購買誘引→顧客のファン化→エンゲージメント(きずな)の強化」というプロセスから成り立っている。大切なのは、自社のマーケティング活動がこの一連のストーリーのどの部分に位置しているのかを正しく認識することだ。課題を因数分解し、各プロセスと照らし合わせながら、プロモーション施策の目的を設定することが求められる。
例えば、「新製品の発売」など話題を作り出すファクト(事実)を持ちながらも、市場の啓もうに課題を感じている例を考えてみよう。もし企業が消費者に気付きを与えるステップに立っている場合、目的は「新しい市場のメリットの認知」になる。この場合に考えるべきことは、情報発信の際の「伝える質」「伝える量」「伝える素材」である。
3Dテレビなど、市場が新たにできたばかりの商
rmt ドフス 品やサービスは、消費者にその良さは伝わりにくい。企業は商品のメリットに加え、市場全体の価値を消費者に気付いてもらうようにしなければならない。
●ブームの土壌を築く
そのためのアプローチは2つある。1つは消費者の潜在的な課題を見つけ、新たな需要を喚起することだ。つまり消費者に「そういえば、こういうものが欲しかった」と思わせる施策が必要になる。
ミネラルウォーターの新製品を発表する場合を考えてみよう。例えば「ミネラルウォーターはからだをきれいにする」というメッセージを発信することで、消費者に同製品のカテゴリーの価値を伝えることができる。
もう1つのアプローチは市場にブームを呼び込むこと、すなわち「需要がある」という既成事実を作ることである。具体的には、ミネラルウォーターブームを起こす仕掛けを考え、「流行しているなら試してみようかな」と消費者に思ってもらうようにすることだ。
消費者の潜在的なニーズを掘り起こし、新たな需要を喚起することで、市場の価値に気付いてもらう。消費者は市場そのものに興味を持つと、自発的に個別の商品情報を求めるようになる。先述したバイラルムービーには、継続したブームの土壌を築く力は備わっていない。
●消費者のインサイトをつかむ
企業課題の認
識とともに重要なのが、対象とする消費者のインサイト(行動や態度の奥底にある本音部分)の分析である。
市場を啓もうできたとしても、消費者に自社商品を選んでもらえなければ意味がない。消費者が競合商品に流れないように自社商品をアピールするには、消費者心理を理解する必要がある。
消費者の心理に働き掛けるアプローチは2つある。1つは「ポジティブアプローチ」だ。ミネラルウォーターの例でいえば、「ミネラルウォーターは美容に良い」など消費者にとってのメリットを訴求するメッセージは、消費者に響きやすい。
もう1つは「ネガティブアプローチ」だ。「水にこだわらない生活を続けると、健康に悪影響を及ぼす可能性がある」といったマイナスの要素を含んだ情報を消費者に伝達する手法である。聞こえこそ良くないものの、実は消費者の心理に訴求する有効な手段なのである。
デジタルPRの実現には、商品やサービスの対象に設定した消費者のインサイトを分析し、ポジティブアプローチとネガティブアプローチのどちらが有効かを判断することが求められる。
●コンセプト設計で作り込む
マーケティング課題の認識、ターゲットのインサイト分析が終わったら、具体的なプロモーションコンセプトを設定していく。このコンセプトは、一連のプロモーション活動を展開し
ていく上で常に立ち返る軸となるものだ。市場動向や競合他社の状況を基に、「背景」「ブランド」「ターゲット」という視点から、「企業が消費者に伝えたいメッセージ」と「メディアや消費者が欲している情報」をすり合わせて設定するのが理想だ。
こうして練り上げたコンセプトを、「誰に」「何を」「どの順番で」「どうやって」伝えていくのかという切り口から、具体的な戦略に落とし込んでいく。個々のプロモーションのコンテンツ作成には、以前に紹介した「ニュースの7要素」を考えるといいだろう。
●トリプルメディアを生かす
ニュース性のあるコンテンツを作成した後は、消費者のコミュニケーションチャネルを分析し、メディア別に戦略を作っていく。この部分が、デジタルPRの軸になる部分だ。
以下の図からは、デジタルデバイスの発達やインターネット環境の進化により、昨今のメディア環境が大きく変わっていることが分かる。メディア環境は従来のマスメディア一極集中型から、「ソーシャルメディア」「自社メディア」「サードパーティーメディア」というトリプルメディアに分かれている。消費者が接触するメディアも多岐にわたっている。
これは、企業自らが消費者とコミュニケーションをする手段を獲得し、さらに消費者同士、消費者と企業がコミュニケーションを取りやすい環境が整ったことを意味している。
rmt アラド 消費者から消費者への情報の伝播力も圧倒的に上がった。例えば製品情報などは、企業だけでなくユーザーからも受け取れるようになっている。今や企業ブランドを構築するのは、「企業からの情報発信」よりも「消費者側の声」による影響が大きくなりつつある。ここで企業側に求められる視点は、各メディアの特徴をつかみ、マーケティングやプロモーションへの活用方法を考え直すことだ。
デジタルPRの展開を支える各メディアの特徴を具体的に見ていこう。テレビや雑誌などのマス媒体を指すサードパーティーメディアの特徴は、圧倒的なリーチ力だ。市場啓もうには最も適したメディアといえる。企業はこの特徴を生かす形で、プロモーション施策の核となるプロジェクトを展開するのが望ましい。
ソーシャルメディアは消費者主体のメディアである。消費者は互いに意見を交換したり、他社ブログで商品の感想を読んだり、商品の比較検討段階で(マス媒体や企業の一方的な情報ではない)第三者の情報を利用したりしている。つまり、企業のプロモーションにおいても、ソーシャルメディアとの連携を考えることが、他社に対する差別化要因となってくる。
自社メディアの大きな特徴は、企業が消費者に直接情報を発信したり、消費者の情報を蓄積したりできることだ。昨今は自社メディアの一環として、TwitterやUstream、iPad関連の
rmt CABAL アプリケーションを拡充し、チャネルを拡大する企業もみられる。あらゆるターゲット層とのコミュニケーションを可能にする自社メディアは、「顧客のファン化」の促進によるブランディングで力を発揮する。
3つのメディアはそれぞれに特徴があり、役割もさまざまだ。デジタルPRの成功の鍵を握るのは、各メディアに適した施策を立案することである。次回はトリプルメディアを有効活用している企業の事例を伝える。
引用元:
RF online Z 総合サイト